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賃貸オーナー必見!消費税還付スキームは事実上封鎖!?

賃貸オーナー必見!消費税還付スキームは事実上封鎖!? | その他

こんにちは。 中小企業の事業承継に強い税理士法人アイユーコンサルティングです。

 

 昨年12月に令和2年度の税制改正大綱が公表されました。

 持続的な経済成長に向けて、企業が保有する巨額の内部留保をベンチャー企業への投資に呼び込む「オープンイノベーション税制」や次世代通信規格5Gの普及を後押しする「5G投資促進税制」など、どちらかといえば大企業向けとみられる改正案が今回の目玉とされています。

 一方、富裕層等の過度な節税を防止するための施策として、「海外不動産を使った節税防止」、「金売買を使った節税防止」、「住宅ローンと譲渡特例の併用防止」等も裏の目玉項目として注目が集まっています。

 今回は、「金売買を使った節税防止」について解説します。

 

改正の背景

 事業者が消費税を納める場合、売上げにかかる消費税額から仕入れ(経費)にかかる消費税額を控除できる「仕入税額控除」という制度があります。

 不動産賃貸業の場合、仕入れ(マンションなど建物の建築費)が巨額のため、仕入れにかかる消費税額も必然と大きくなります。通常であれば、売上げにかかる消費税額よりも仕入れにかかる消費税額が大きい場合には消費税は国から還付されますが、居住用不動産の場合はそもそも売上げ(家賃収入)が非課税であるため、仕入れにかかる消費税額を控除することはできません。

 

 例えば、事業用不動産を賃貸する場合と居住用不動産を賃貸する場合、以下のように消費税の取扱いが異なります(いずれも家賃収入が税込み1,100万円、建築費が税込み1億1,000万円とした場合です)。

<事業用不動産の場合>

  • 売上げ(家賃収入)にかかる消費税 100万円 - 仕入れ(建築費)にかかる消費税 1,000万円 = △900万円(還付)

<居住用不動産の場合(本来)>

  • 売上げ(家賃収入)にかかる消費税 0円 - 仕入れ(建築費)にかかる消費税 0円※1) 0円(還付されない)

※1 仕入れにかかる消費税 1,000万円 × 課税売上割合(= 課税売上高 ÷(課税売上高 + 非課税売上高)= 0%)のため

 

 そこで、金や地金などの投資商品の取引を繰り返すことで課税売上をかさ上げし、総売上高(課税売上高+非課税売上高)に占める課税売上高の割合を高め、消費税還付を受けるスキームが横行しました。

<居住用不動産の場合(金地金スキーム)>

  • 売上げ(家賃収入)にかかる消費税 0円(※2)仕入れ(建築費)にかかる消費税 1,000万円(※3) 1,000万円(還付)

※2 本来、売上げにかかる消費税が0円の場合還付は受けられませんが、話を簡略化するためそのように記載しています

※3 仕入れにかかる消費税 1,000万円 × 課税売上割合(= 課税売上高 ÷(課税売上高 + 非課税売上高)≒ 100%)のため

 

 昨年10月の消費税増税により国民の負担が増える一方で、このスキームを放置すると消費税還付税額も増加するおそれがあることを背景に、この度の改正につながりました。

 

どのような改正か?

 今回の改正案は、居住用賃貸建物の課税仕入れについて仕入税額控除の適用を認めないというものです。ここで、居住用賃貸建物とは、「住宅の貸付けの用に供しないことが明らかな建物以外の建物であって高額特定資産(※4)に該当するもの」と定義されます。つまり、「事業用として賃貸することが明らかな建物『以外』の1,000万円以上の建物」ということとなります。

 また適用時期は、令和2年10月1日以後の居住用賃貸建物の課税仕入れから適用される見込みです。

※4 高額特定資産:一の取引の単位につき、課税仕入れに係る支払対価の額が1,000万円以上の棚卸資産又は調整対象固定資産

 

 1で示した例<居住用不動産の場合(金地金スキーム)>は、改正後は以下のようになります。

<居住用不動産の場合(金地金スキーム)>

  • 売上げ(家賃収入)にかかる消費税 0円 - 仕入れ(建築費)にかかる消費税 0円(※5)0円(還付されない)

※5 そもそも仕入税額控除を認めない

 

 この改正により、居住用不動産の建設や購入にかかる消費税を還付する方法は実質的に封鎖されたのではと考えられます。

 実は過去幾度となく消費税還付スキームが横行し、そのたびにそれを防ぐ法改正がなされてきたのが実態です。今回の改正で、このイタチごっこに一旦終着がみられるのではないかと思われます。

 

 ただし、住宅の貸付けの用に供しないことが「明らかな」建物の定義や、現状では賃貸借契約書によって住宅の貸付けかどうかが「明らかに」されている実態との整合性など、まだ不明確な点も多々あります。

 今後の法改正の具体的内容にも注目が集まります。

 

<リクルートHP> https://iu-recruit.taxlawyer328.jp/

<事業承継専門HP> https://bs.taxlawyer328.jp/

<業務提携専門HP(税理士向け)> https://iud.jp/

 

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