株式の売買実務に大きな影響が?取引相場の無い株式の時価の取り扱いが公表されました! |ブログ|アイユーコンサルティンググループ

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株式の売買実務に大きな影響が?取引相場の無い株式の時価の取り扱いが公表されました!

株式の売買実務に大きな影響が?取引相場の無い株式の時価の取り扱いが公表されました! | 事例

こんにちは。

中小企業の事業承継に強い税理士法人アイユーコンサルティングです。

10月になり過ごしやすく秋を感じる今日この頃。
皆様、いかがお過ごしでしょうか。

さて、今回の税務ブログは、
非上場株式の時価の算定方法を定める『所得税法基本通達59-6の改正』及び『斟酌割合』について解説を行いたいと思います。
時価評価を行う際の取扱いについて、国税庁から8/28に公表された内容です。

 

概要

過去の判例では配当還元方式の適用について、株式の『譲渡人』『譲受人』のいずれの株主が少数株主に該当する場合であるか争われたものがあります。
譲渡人で判定をする旨の判決が下りましたが、分かりやすさを求める声が多く寄せられました。

所得税法上の時価は、所得税法基本通達59-6に規定されており、財産評価基本通達178〜189-7の準用して算出します。
これまで、同族株主の判定については、所得税法基本通達59-6において『譲渡又は贈与直前の議決権数』により判定をすると規定されていましたが、財産評価基本通達188の2.3.4.については明記されていませんでした。

これらの内容を受けて今回の改正では、下記について明確化されています。
①取得者ベースで記載されていた文言の読み替え
『取得した株式』を『譲渡又は贈与した株式』、『株式の取得者』を『株式を譲渡又は贈与した個人』、『株式取得後』を『株式の譲渡又は贈与直前』とそれぞれ読み替える。
②少数株主に該当するか否かは、上記の読み替えをした後の『株式の譲渡又は贈与直前の議決権数』により判定する。

また、本改正のパブリックコメントからは、実務上の論点であった小会社評価の『斟酌割合』についての取扱いも明確化されています。

(所得税法基本通達59-6の2一部抜粋)
非上場株式を譲渡又は贈与した個人が、譲渡又は贈与直前に株式の発行会社にとって『中心的な同族株主』に該当するときは、その非上場株式は常に『小会社』に該当するものとする。

これは、類似業種比準方式と純資産価額方式の併用方式のLの割合を0.5として評価する(純資産価額方式による評価も可である)という規定であるが、この評価を行う際の類似業種比準方式で適用する『斟酌割合』(大0.7、中0.6、小会社0.5)については、必ず0.5を使用するのではなく、個々の会社規模により判定を行う必要がある旨が公表されました。

さらに、発行会社が有する子会社株式を評価する際、発行会社が子会社にとって『中心的な同族株主』に該当する場合にも、上記取扱いが準用されることも明らかになりました。

このような明確化は実務者にはとても有意義なものです。
今後、非上場株式を評価する際には、上記ポイントを抑えた上で進めていく必要があるのではないでしょうか。
各税務ソフトの方では既にシステム変更が行われているようです。

税務に関するご相談やお悩みがある方は、税理士法人アイユーコンサルティングまでお気軽にお問い合わせください。

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