2026.07.08
親に書いてもらうならどっちがおすすめ? 「自筆証書遺言」と 「公正証書遺言」の違い
こんにちは。
中小企業の事業承継と相続に強い税理士法人アイユーコンサルティングです。
日増しに夏めいてまいりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
突然ですが、
「そろそろ親も高齢だし、相続で揉めないように遺言書を書いてほしいな……」
そうお考えの方、増えています。
しかし、いざ調べ始めると「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」という2つの言葉が出てきて、「結局、我が家の場合はどちらがいいの?」と迷ってしまいませんか?
最近では「法務局で自筆の遺言書を預かってくれる制度(自筆証書遺言書保管制度)」も始まり、手軽な自筆遺言に傾く方も多いのですが、資産税を専門とする税理士としては「公正証書遺言」をおすすめします。
今回は、その理由を2つの違いと比較しながら、分かりやすく解説します!
そもそも何が違う?2つの遺言書の比較表
まずは、2つの遺言書の特徴をパッと見で比較してみましょう。

このように、自筆証書遺言は「安くて手軽」ですが、公正証書遺言は「費用はかかるが確実」という特徴があります。
手軽な「自筆証書遺言」に潜む、見えないリスク
「法務局に預ければ、自筆でも安全じゃないの?」と思われるかもしれません。
確かに紛失や隠匿のリスクはなくなりました。
しかし、法務局は「形式(日付や署名があるか)」はチェックしてくれますが、「内容(税金面で損をしないか、本当に親の意思か)」まではチェックしてくれません。
ここに、次のような落とし穴があります。
- 「書かされたのでは?」と疑われるリスク
いざ相続が発生した際、他の兄弟から「この時、お父さんは認知症が進んでいたはず。誰かに無理やり書かされたんじゃないか?」と主張され、遺言書の有効性を巡って裁判になるケースが後を絶ちません。 - 文言のミスで、手続きができないリスク
「長男に全財産を譲る」とだけ書かれていても、不動産の登記簿通りの表記(地番など)になっていないと、銀行や法務局で名義変更がスムーズに進まないことがあります。
「公正証書遺言」がおすすめな2つの理由
せっかく親御さんが家族を思って遺言書を遺してくれても、それが原因でトラブルになったら本末転倒ですよね。
公正証書遺言をおすすめする理由は2つあります。
1. 「無効」を訴えられにくい
公正証書遺言は、法律のプロである「公証人」が、親御さんと直接面談して本人の意思と認知能力を確認しながら作成します。
そのため、形式不備によるリスクが非常に低くなります。
2. 亡くなった後の手続きが「圧倒的に早い」
自筆証書遺言(法務局に預けていない場合)は、亡くなった後に裁判所で「検認」という数ヶ月かかる手続きが必要です。
一方、公正証書遺言は検認が不要。
亡くなった直後から、すぐに預貯金の解約や不動産の名義変更に動けるため、残された家族の負担が激減します。
公正証書遺言作成にあたって、税金面も考慮する必要性
自身の想いを後世に繋ぐことができる公正証書遺言ですが、税金のことを考慮せずに作成してしまうと、予想外の税負担を負うことになる可能性があります。
例えば、実家を配偶者や同居の子が相続すると、土地の税金が最大8割引きになる「小規模宅地等の特例」という制度があります。
この制度は要件が非常に複雑なため、特例の要件(誰が継ぐか)を深く考えずに後継者を指定してしまうと、「特例が使えず、本来払わなくてよかったはずの相続税が数百万円も発生してしまった…」という状況が起こり得るのです。
公正証書遺言を作る際、事前に私たち税理士が「相続税のシミュレーション」を行うことで、使える特例等を考慮した遺言内容にすることが可能です。
また、相続人となり得る方が複数いる場合は、相続人同士が揉めないように配慮して作成することも重要になります。
税理士が税金のことを考慮した分割案を作成し、その分割案をもとに行政書士に遺言書の案文作成を依頼されることも非常におすすめです。
また行政書士に依頼をすれば、公証人との面談までを考慮したサポートを受けることもできます。
上記のように、事前に税理士及び行政書士に相談することで、「争族対策」と「節税対策」の両方を網羅した遺言書原案を作成して公証役場に持ち込むことができます。
親御さんへの切り出し方に迷ったら
「親に遺言書を書いてなんて言い出しにくい……」
そのお気持ち、よく分かります。
そんな時は、「最近、税金の法律がいろいろ変わったらしくて、我が家も損をしないように一度税理士さんに相談してみない?」と、税金をきっかけに誘ってみてください。
親御さんにとっても「子どもたちが損をしないため」という大義名分があれば、前向きに話しやすくなります。
弊社では遺言書の作成サポートから、将来の相続税の試算までトータルでサポートしております。
「まずは話だけでも聞いてみたい」という方は、アイユーコンサルティンググループまでお気軽にお問い合わせください。






















