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企業の資金繰りが改善する「タンコロ」をご存じですか?

企業の資金繰りが改善する「タンコロ」をご存じですか? | 財務

こんにちは。

中小企業の財務・税務を支えるアイユーコンサルティンググループです。

秋も深まり朝夕冷え込むようになりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

さて今回は、タイトルで記載致しました、中小企業の財務改善で注目されている短期継続融資、通称「タンコロ」ついてご説明いたします。

 

■タンコロとは

企業の資金調達の方法のひとつに、銀行からの融資があります。

融資や借入と聞くと、個人の住宅ローンのように、長期間の借入を毎月返済していくようなものが一般的かと思います。

そのような中、あまり知られてはいませんが、毎月返済ではなく、借入期日(基本的に1年以内)が到来した時点で一括返済をする方法もあります。

この一括返済の期日が到来する度に、同額を借り入れることで、実質返済がないかのように銀行から借入を行う方法があります。これが「タンコロ」と呼ばれる方法です(短期融資を転がすという表現から)。

 

では、現在の銀行借入の全てをタンコロに変更することができるのか、というとそれはできません。タンコロで借入が可能な金額は企業によって異なります。では、どのように決定されるのでしょうか。

 

企業(特にB to B)は掛取引などにより、仕入の代金支払と売上の入金にタイムラグが発生します。支払が先行する場合、支払から売上の入金があるまでの期間、企業にとってはある意味で立替えをしているような状態になります。この立替えている金額のことを「経常運転資金」と呼びます※1。この経常運転資金の金額は、企業が事業を継続する上で常に必要となる資金です。そのため、経常運転資金を銀行から毎月返済の方法で借入れている場合、資金繰りは必然的に厳しいものになります。

 

タンコロで借り入れることができる金額は、この経常運転資金相当額に当たります。

経常運転資金をタンコロに借換えることによって、借入返済額が少なくなり、企業の資金繰り改善が見込まれます。

 

※1. 経常運転資金の金額は、一般的に、売上債権+棚卸資産-仕入債務で算出されます。

 
■近年注目されている理由

タンコロについて、初めてお聞きする経営者の方も多いのではないでしょうか。

それは、少しさかのぼって、日本の金融の歴史を振り返ると理解できます。

かつて、中小企業の経常運転資金は、タンコロで調達することが一般的でした。

しかし、バブル崩壊後の不良債権処理問題によって、タンコロの商習慣は失われてしまいました。経常運転資金分も、現在のような約定返済(≒毎月返済)が主流となりました。

そのような中、近年金融庁から、あらためて、銀行に対して経常運転資金はタンコロ対応を求める、という姿勢が示されました。

更に、経常運転資金の金額の算出方法に関しても、業種や実態に合わせて柔軟に検討すべきであるとして、タンコロが幅広い業種で検討されるようになってきました。

 

 

 

■タンコロのメリット・デメリット

タンコロを活用するメリット・デメリットは以下のような内容です。

【メリット】

・毎月の借入返済額が削減され、資金繰りが改善する

・業績がよければ返済を求められず、更新することができる(基本的に6ヵ月や1年ごと)

・銀行からの支援体制が強化される

 

【デメリット】

・銀行へ適時財務情報の提供が必須(毎月の試算表提出・必要に応じて注文書の開示等)

・業況が悪化した場合更新できない可能性がある、一括返済を求められる可能性がある

(数期連続赤字等、銀行ごとに基準があります。基本的に基準は公開されていません。

また、一括返済を求められるケースは稀で、毎月返済の方法に戻ることが一般的です。)

・飲食業や小売業など、経常運転資金がない業種はタンコロが活用できない。

・多様な業種において、PJ性の高い個別案件はタンコロに含めることができない。

(銀行側で、個別で融資の検討がなされます。)

 

以上のように、資金繰り改善という大きなメリットがある一方で、銀行が日常的なモニタリングを行うため、適時適切な財務情報の提供が求められる点や、業況によっては更新できなくなるといったデメリットもあります。

 

■資金繰り改善事例の紹介

最後に、弊社の資金繰り改善事例を紹介いたします。

利益が出ているにも関わらず、過度な節税策でキャッシュが残らない経営を続けてきたメンテナンス業者のS社から資金繰り改善のご相談を頂きました。

営業活動に要する資金の借入が膨らみ、経常運転資金相当額も毎月返済の方法で借入れておりました。

そのような状況で、弊社では銀行折衝を含めご対応させて頂き、タンコロの活用をはじめとした調達再編を実行いたしました。結果として、S社の毎月の借入返済額を230万円削減し、年間で2,760万円の資金繰りが改善、キャッシュが残る経営体質を実現いたしました。

 

事例の詳細はこちらのページに記載しております。

https://www.taxlawyer328.jp/lp/2/index.htm

 

いかがでしたでしょうか?

タンコロを活用することによって返済負担が軽減され、資金繰りの大幅な改善が見込まれます。

弊社では、タンコロに借換え可能な借入額を無料シミュレーションさせて頂きます。

 


財務・税務に関するお悩みがある方は、アイユーコンサルティンググループまで是非お気軽にご相談ください。

 

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