【令和7年7月開始】相続税の税務調査にAI導入へ!~何が変わる?どう備える?~ |ブログ|アイユーコンサルティンググループ

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【令和7年7月開始】相続税の税務調査にAI導入へ!~何が変わる?どう備える?~

【令和7年7月開始】相続税の税務調査にAI導入へ!~何が変わる?どう備える?~ | その他

こんにちは。
中小企業の事業承継と成長支援に強いアイユーコンサルティンググループです。
紫陽花の花が目に鮮やかな季節となりました。皆様いかがお過ごしでしょうか?

今回は、令和7年7月から始まる相続税の税務調査へのAI(人工知能)活用について、解説します。

 

 

1.調査選定へのAI活用

調査選定の方法

これまでの相続税の調査選定は、国税総合管理システム(KSK)に蓄積された情報を事案に集約し、経験豊富な調査官が全ての事案に目を通して判断してきました。事案に集約される情報は基本的に紙媒体ですので、事前に優先順位を付けて効率的に調査選定を進めていくことは困難でした。
しかし、日経新聞(2025年3月14日公開)によると「国税当局は今年夏から実施する相続税の税務調査などに人工知能(AI)を活用する。相続税の申告書や財産状況が分かる資料などをAIで分析、申告漏れの可能性をスコア化して、調査対象者の選定を行う。」と報道されています。この報道からも分かるように、これからの相続税の調査選定にAIが活用されることによって、KSKに蓄積された情報をデータとして分析し、申告漏れのリスクがスコアとして可視化されるようになります。
そして、リスクスコアの値や分析されたデータを一元化したツール(RIN)などを基に、優先順位の高い事案から調査官が目を通すことができるようになるため、従来より効率的で質の高い調査選定が行われていくことが想定されます。

 

AI活用の背景

経験豊富な調査官が退官して経験の浅い調査官の割合が増加していること、相続財産の多様化(国外財産や暗号資産など)により調査手法が複雑化していること、相続税の申告件数の増加に伴って調査が必要な事案が増えていること、などがAI活用に至った理由として考えられます。

 

2.AIによるリスクスコア判定

リスクスコア判定の概要

AIは過去の調査で申告漏れが生じた相続税申告書や、KSKに蓄積された情報をデータとして学習することで申告誤りの傾向を分析します。
その結果から、申告漏れのリスクを0から1の数値でスコアとして可視化します。スコアが1に近いほど申告漏れのリスクが高いことを示しています。

 

リスクスコア判定の詳細検討

報道では、リスクスコア判定の詳細について言及されていませんが、過去の調査で申告漏れが多い「生命保険契約に関する権利」を例に、リスクスコアが高くなると考えられるケースを検討してみましょう。
「生命保険契約に関する権利」とは、契約者が亡くなっても死亡保険金が支払われない(被保険者が契約者以外であるため)保険契約の権利のことをいいます。この権利に基づいて受け取ることができる解約返戻金相当額を、相続財産として申告する必要があります。契約者が亡くなっているため、相続人が契約者変更手続きを行うのですが、その際に保険会社が作成する「保険契約者等の異動に関する調書」という法定調書によって、契約者変更を行った保険契約の情報が税務署へ通知されることになっています。
そして、契約変更を行った「生命保険契約に関する権利」を申告していない場合、税務署は法定調書の情報から申告漏れとなっている事実を把握していることから、AIも調査に行けば相続税の追徴に繋がる可能性が高い、と判断してリスクスコアが高くなると考えられます。
このように、過去の調査で申告漏れが多く、法定調書のような情報がある財産については、特にAIによるリスクスコアが高くなりやすいので、申告漏れとならないように注意しておくことが重要です。

 

 

3.AI時代に備える!これからできる相続税対策

財産の全体像を正確に把握・整理する

AIによる調査選定のリスクを下げるためには、すべての資産をリストアップした財産目録を作成し、関連資料(預貯金通帳、証券取引履歴、不動産の登記簿謄本など)を整理して、その保管場所を相続人に伝えておくことが重要です。親族間の資金移動、頻繁な現金出金、被相続人が作成した家族名義財産などは、過去の税務調査でよく指摘されていますので、事前に状況を整理しておくことで、正確な相続税申告を作成することができます。

 

生前対策は形式面も整える

生前贈与や家族信託などを活用して生前対策を行う際は、贈与契約書の作成や資金移動の記録といった形式面もしっかり整えておきましょう。
客観的に実体があると証明できない場合は、被相続人が作成した家族名義財産ではないかと疑われるリスクがありますので、注意が必要です。

 

税理士に相談する

自己流で生前対策や申告書作成をする方もいますが、税法の誤った解釈から申告漏れとなってしまうことが多く、結果的にリスクスコアを高くしてしまう要因となります。
相続税に精通した税理士に早めに相談することで、リスクスコアの傾向を踏まえた生前対策を行い、正確な相続税の申告書作成を行うことができます。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。
AIを活用した調査選定が始まることによって、これまで以上に正確な相続税申告が求められる時代になっていきます。だからこそ、何かあってからではなく、元気なうちから対策を始めることで、税務調査リスクのない円滑な遺産相続となるように備えていきましょう。
これを機に将来の相続について、ご家族と話してみてはいかがでしょうか?

税務に関するお悩みがある方は、アイユーコンサルティンググループまでお気軽にお問い合わせください。

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