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子供服のリユース事業から“子育て家族のためのプラットフォーム”へ

ポストアンドポスト株式会社 吉田照喜社長

子供服のリユース事業から“子育て家族のためのプラットフォーム”へ

「単にモノを転売するのではなく、子供の成長を促したり、偶然出会う買い物の楽しさを感じてもえたり、多くの付加価値を持った店舗作りを目指していく」と話すのは、ポストアンドポスト株式会社(福岡市東区多の津4丁目)の吉田照喜社長。

吉田社長はソーシャルビジネスを通じて国内外で社会問題の解決に取り組む株式会社ボーダレス・ジャパン(東京都新宿区)の創業メンバーの1人。2015年5月から「リユースを消費の主役にすること」を目的に、前身となる子供服のリユース事業を開始し、2017年3月に分社化した。

 

“体験型”の接客が奏功し過去最高売上高を突破

コロナ禍で売上が落ち込む企業も多い中、市内のロードサイドで3店舗を展開する子供服のリユースショップ「POST&POST(通称ポスポス)」の直近の売上高は過去最高を突破。これについて吉田社長は「チャイルドシートやベビーカーなど、ベビー用品の販売に力を入れた。“ベビーコンシェルジュ”を各店舗に配置させたことで購入点数が増え、結果として客単価の向上につながった」と分析する。コンシェルジュに気軽に相談できる環境に加え、赤ちゃんの重さを再現した人形でベビーカーのフィット感などを実際に体感してもらうといった「体験型の接客」が客層の心を掴んだようだ。今後の展開については「今は利益体質を強化する段階と捉えており、年明けから催事などのスモールスタートで九州各県への出店を計画している」と話す。

 

コロナ禍で海外輸出がストップ!在庫過多の解決策として始めた200円均一ショップが好調

店舗での買い取り商品の3割は店頭陳列、汚れやシワが目立った残りの7割は海外に輸出していた同社。ところがコロナ禍で海外への輸出が止まり、4万着の在庫が倉庫を圧迫。その解決策として始めたのが、リユースアウトレットを中心とした「200円均一」の新業態店舗「ポスポスマルシェ200」だ。「お客さんとの会話の着想で保育園着に着目した。競合他社のマーケット分析を行った結果、価格で勝負ができると判断した」と経緯を話す。

また、店舗内には衣類のほかにおもちゃの量り売りのコーナーもあり、子供が主体となって買い物体験もできるという。今年2月にスタートした業態だが、すでに県内の商業施設で3店舗運営しており、今後は衣類だけでなく、ベビーカーなどカテゴリの拡充も検討中だ。

 

次なる構想は“子育て家族のためのプラットフォーム”

国内で少子高齢化が進む中、吉田社長が次なる一手として構想するのは“メガポスポス”なる子育て家族のためのプラットフォームだ。「ニトリの郊外店舗くらいの規模感で、対象を従来の5歳から12歳に引き上げた体験型のリユースショップを考えている。習い事が始まる年齢でもあるので、野球など各習い事の売り場もつくりたい」と話す。

また、小学生の自転車の買い替え需要を見込み、さび取り体験やブレーキのカスタムなどを親子で体験できる自転車のカスタム修理工房の併設も計画中だそうで、「修理やカスタムで世界にひとつだけの自転車をつくることができる。自分で作ったものだからこそ、長く使いたいという気持ちも育める機会になるのでは」と期待を寄せる。

 

 

同社の思い描く将来像は、単にモノを転売する店舗の拡大ではない。子育て家族を支えるとともに、来店を通じて子供たちが学び、成長できるような場所を全国に増やしていくことなのだろう。

 

<代表の横顔>
1982年生まれ。長崎県出身。早稲田大学商学部卒。2004年(株)ミスミ入社。07年3月(株)ボーダレス・ジャパンに参画。

<会社概要>
社  名 ポストアンドポスト株式会社
設  立 2015年3月
代  表 吉田 照喜
所 在 地 福岡市東区多の津4-14-1
電話番号 092-292-5791

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