弁護士法人菰田総合法律事務所(福岡市博多区、菰田泰隆代表弁護士)が運営する「相続LOUNGE（ラウンジ）」が好調だ。「相続＝暗い、堅い」というイメージを払拭しようと、気軽に立ち寄れる相続相談スペースとして2020年1月に博多マルイ5階にオープンした同ラウンジ。カフェのような明るい店内には、相続に関する書籍や無料のパンフレットを豊富に揃えるほか、弁護士による無料相談やタブレットでの無料簡易診断なども実施。弁護士・社労士・税理士・司法書士の4士業を有する総合リーガルファーム“KOMODA LAW OFFICEグループ”による全面的なサポート体制も人気の秘訣だ。

 

　開設から１年半で延べ来店者数は約1,600人以上にも上り、20代～90代と幅広い層の取り込みにも成功している。これについて菰田代表は「買い物途中に立ち寄れる手軽さと、自由に利用できる気軽さを重視した店舗作りが奏功し、自身の相続について考え始める人と、自分の親の相続について悩んでいる人の両方のニーズを取り込めた」と分析する。

　コロナ禍では緊急事態宣言や自粛要請期間中に影響は受けたものの、オンラインや電話対応に注力した結果、約1年半で相談件数は550件を突破したという。
　
　

遺言ビデオレターや家系図作成などユニークなサービスも

　相続関連の多種多様なサービスにも注目したい。昨年７月には、従来の遺言書作成支援サービスに加え、法務局での自筆証書遺言保管サポートを開始。また同年8月からは、弁護士などの専門家が監修を行い、プロのカメラマン指導のもとで撮影・編集する「遺言ビデオレター」の作成サービスも始めた。「遺言書があるにも関わらず、遺産分割の理由や意図に納得がいかず揉めるケースをこれまで見てきた。遺言の意図や家族への感謝の気持ちを伝えることで、争いを少しでも減らすきっかけにしたい」と経緯を語る。

　また、オープンから1周年を迎えた今年3月には、全国を対象とした家系図作成サービス「ファミリーツリー」を開始。完成した家系図が掛け軸の形でもらえるというユニークな取り組みは、メディアにも取り上げられたほどだ。
　
　

大切な家族の明るい未来をつくるために
　新しいサービスを次々と打ち出す一方で、オープン以来変わらない部分もある。それは来店者への対応だ。同ラウンジでは、一貫して来店者への積極的な声かけは行っていない。「相続というデリケートな部分でもあるので、周囲を気にすることなく落ち着いて利用してもらいたかった」と話す。最近ではさらなるサービスの拡充の一環として、相続関連のパンフレットを一部リニューアル。加えて、特に相談が多いという「遺言」「贈与」「相続税」などの書籍を相続問題に特化した弁護士が厳選し、20冊程度増やす予定だという。

 

　最後に菰田代表は「これまで数多くの相続案件に携わってきた中で、数えきれないほどの相続トラブルも見てきた。こうした争いが起こる顧客の共通点として『相続の準備不足』が挙げられる。弁護士として目の当たりにしてきた相続の争いを少しでも減らし、気軽に考える場所が必要であると思いこのラウンジをつくった。今後も運営を通して、誰も苦しむことのない“幸せな相続”をつくるお手伝いをしていきたい」と抱負を語ってくれた。

　
　
“大切な家族の明るい未来をつくりたい”
相続LOUNGEは、そんな想いが詰まった心温まる拠り所なのかもしれない。

 

＜代表の横顔＞

1983年生まれ。福岡市出身。九州大学法学部卒。早稲田大学大学院法務研究科修了。趣味はスノーボード。

＜会社概要＞

社　　名　弁護士法人菰田総合法律事務所
設　　立　2013年1月
代　　表　菰田　泰隆
所 在 地　福岡市博多区博多駅前2-20-1 大博多ビル8階
電話番号　092-433-8711