こんにちは。
中小企業の事業承継と成長支援に強いアイユーコンサルティンググループです。
寒い毎日が続きますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
新型コロナウイルスの拡大は中小企業に大きな影響を与え、今後も先行きが見えない状況が続くと考えられます。そのような中これからの中小企業の経営をする上で財務分析をする事をお勧めします。なぜ財務分析をお勧めするかというと、企業の現状や問題点、改善点などを見つけられるからです。今回はその中でも、重要な指標『ROA』について書かせていただきます。
■ROAとは?
ROAとはReturn On Assetsの略称であり、日本語では【総資本利益率】を意味します。
企業の総資本を使って、どのくらいの利益を生んだか確認する事が出来るのです。
ROAはより少ない資本で多くの利益を出しているかがわかるため、銀行も非常に重視しております。
総資本とは自分で調達したもの(自己資本)と他人から調達したもの(他人資本)との合計を表します。
中小企業の経営者はPL(損益計算書)に関してはよく理解されていると思いますが、一方BS(貸借対照表)に関しては苦手な方が多いように感じます。中小企業経営において、BSを意識する事が非常に大切です。なぜなら資金の調達の状況と、その使い道がわかるからです。ROAがわかる事によって、どれだけ企業が効率よく利益を生んだかがわかります。
ちなみに日本の上場企業のROA平均値は3.9%です(2018年度数値 経済産業省データより)。業種や、会社規模によって異なりますが、是非5%以上を目指しましょう。
ROAを式で表すと次のようになります。
ROA(%)=当期純利益/総資本×100
※分子の当期純利益においては、経常利益に代えて計算をする事もあります。
例えば総資本10億円、当期純利益4千万円とすると
ROA(%)=4千万/10億円×100
=4%
総資本を活用して4%の利益を生んだ事になります。
ROAの数値が高いという事は、企業が効率よく資本を活用できている証拠です。そのためROAは高いほど良いといわれています。
■ROAを高めるには?
ROA(%)=(当期純利益↑)/(総資本↓)×100
上記の式をもとに考えていくと、ROAを高めるためには分子である当期純利益を増やすか、分母である総資本を減らす事を考えなくてはなりません。
当期純利益を増やすには売上を増やすことはもちろん、原価率を抑えることや販売管理費を下げることも有効です。それ以外にも総資本の金額を減らす事でもROAを高める事ができます。例えば、収益を生まない遊休資産の売却や除却する事も有効です。
■ROEとは
ROAについてこれまで説明をしてきましたが、似たような財務指標にROEというものがあります。
こちらを簡単にご説明いたします。
ROEとはReturn On Equity の略称であり、日本語では【自己資本利益率】を意味します。
自己資本を使って、どのくらいの利益を生んだか確認する事が出来ます。
式で表すと次のようになります。
ROE(%)=当期純利益/自己資本×100
■ROEとROAの違い
ROE、ROAの式を見比べていただくとROEの分母が自己資本なのに対し、ROAは総資本です。
この違いは、誰にとって重視される財務指標なのかという点にあります。
・ROEは株主が重視している。
株主にとっていくら資本投下してどの位稼ぎ出す力があり、さらにそこからどの位配当されるのか?という指標です。
・ROAは経営者が重視している。
経営者にとっていくら自己資本と他人資本を投下してどの位稼ぎ出すか?という指標です。経営者は常に意識して、イチローのように無駄な贅肉を落とした身体でしっかりと成果を出す。そのような会社づくりを心掛ける事が重要です。
■まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は、ROAの解説をしてきました。
ROAはどれだけ効率的に利益を稼いだかがわかる経営者が最も重視すべき財務指標のひとつです。
無駄のないBSで利益を最大化しROAを高めていきましょう!
財務・税務に関するお悩みがある方は、アイユーコンサルティンググループまで是非お気軽にご相談ください。